プロジェクトマネージャー 芦田 夏希
プロジェクトマネージャー
芦田 夏希
「FGOスタジオ」ではPMが
重要な役割を担っている

「FGOスタジオ」では
PMが重要な役割を担っている

まずは芦田さんの経歴をお聞かせください。

芦田:最初は大阪のゲーム開発会社で企画職をしていました。プランナーからはじまり、その後ディレクターやプロジェクトリーダーを経験しました。

最初は企画職だったんですね。プランナーやディレクターからPMの方向に進むキャリアというのはゲーム業界では一般的なのでしょうか?

芦田:会社によってPMの役割が違うため比べるのは難しいですが、少なくとも弊社では、過去にプランナーやディレクターだった人がPMになることが多いです。というのも、一般的にディレクターはゲーム全体を見る仕事であるため、全体の進捗を確認するPMとも仕事が重なる部分があるためです。弊社のカノウ(※1)は前職でディレクターやプランナーを経験したのち、弊社でPMを担当し、その後『FGO』の第2部開発ディレクターになりました。これは、それぞれの仕事に序列があるわけでなく、どんな役割をするのかということです。

※1……『FGO』第2部開発ディレクターのカノウヨシキ氏。2017年4月1日の1日限定で配信された『Fate/Grand Order Gutentag Omen』でPMを担当。その後、第2部開発ディレクターに抜擢された。

なるほど。続いて芦田さんのディライトワークスでのキャリアについてもお聞かせください。

芦田:結婚を機に上京したタイミングで、前職と同じゲーム業界での仕事を探していたのですが、私はアイディアを出すことよりもチームをまとめることのほうが合っていると思ったので、PMを募集している会社を探していました。

PMを募集している会社自体が少なかったなかで、弊社の面接で代表の庄司(※2)からディライトワークスではPMの仕事を大事にしているという話を聞き、「ぜひここで仕事をしたい」という思いが強まり、前職でチーム管理をしていた経験が役に立つのではないかと考え、入社を決めました。

※2……ディライトワークス株式会社 代表取締役社長の庄司顕仁氏。プロデューサーとして、TYPE-MOON・アニプレックスとともに『FGO』を形にし、立ち上げた人物。

ディライトワークスでは新たにPMセクションを設立するなど、PMという役職をとても大事に考えていますね。

芦田:塩川(※3)もPMの仕事を重要だと考えており、私が入社したタイミングはFGOチームにPMセクションが設立されたばかりの頃でした。入社以降少しずつ、FGOチームにとってのPMの動きというものを確立していきました。

※3……ディライトワークス株式会社クリエイティブオフィサーの塩川洋介氏。FGO PROJECTクリエイティブプロデューサーとして、FGO PROJECT全体のゲーム展開をプロデュースしている。

PMはユーザーからすると馴染みが薄いと思いますが、実際にはどのような職種なのでしょうか?

芦田:弊社はプロデューサー、ディレクター、プロジェクトマネージャーの3職種が各プロジェクトに基本的に配属するようにしています。

プロデューサーは予算やパブリッシングの管理、ディレクターは“面白さ”のクオリティの管理、そしてPMはプロジェクトの進行管理が役割です。

ほかの会社ではPMと名乗りつつディレクターの仕事をすることもありますが、ディライトワークスはプロジェクトの進捗の管理や問題点の解消など、プロジェクトをいかに円滑に進行させるのかといった部分に特化した職種になります。

進捗の管理というのはどのぐらいの範疇まで見るのでしょうか?

芦田:プロジェクトにもよりますが、ゲームの開発にはプランナーやプログラマー、デザイナー、サウンド担当などさまざまな職種がかかわります。『FGO』は大きなプロジェクトなので、それぞれのリーダーとやり取りし、すべての進捗を確認しています。

納期に間に合わないときはどのように対応するのでしょうか?

芦田:間に合わないとき、安直に実装をやめるという考えは「FGOスタジオ」ではせずに、どうやって問題を解決して実装するかを考えます。

具体的には作業を入れ替えたり、各リーダーと相談して作業効率を上げつつもクオリティを更に高める方法を相談していきます。

作業の入れ替えとは開催するイベントや登場するサーヴァントの順番を入れ替えたりするということでしょうか?

芦田:いえ、「FGOスタジオ」はTYPE-MOONさんが生み出す世界観を大事にしているので、運営側の都合でイベントやキャラクターをリリースする順番を変えることは致しません。

シナリオや『FGO』の世界観をより魅力的にするためにリリースする順番を変えることはあっても、スケジュールのためにそれを変更することはありません。『FGO』の大きな魅力であるシナリオやキャラクターを守ることが我々の役目と言えます。

PMはコミュニケーションが
重要な仕事

PMはコミュニケーションが
重要な仕事

芦田さんが登壇された「肉会(MEAT MEETUP)」でPMの業務にはミーティングとデスクワークのふたつが存在すると伝えられましたが、それぞれどのような内容でしょうか?

芦田:ミーティングとデスクワークは半々ぐらいの割合ですが、デスクワークをしている途中に相談を受けることが多いため、常に人と会話しているイメージです。

ミーティングは進捗の確認をしたり、問題が起きたときにチームのリーダーやメンバーを集めて解決のための相談をします。ゲームの仕様はプランナーやディレクターが決定するので、そこでは司会進行や議事録を担当することが多いですね。

デスクワークでは進捗用の目標地点やスケジュールなどの資料を作ったり、タスク管理のツールで各セクションの状況をチェックしたりしています。

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「FGOスタジオ」ならではの業務はありますか?

芦田:スタジオがとても大きいのでPMチームというものが存在します。普通はひとつのプロジェクトにPMが1人ということも多いと思うのですが、「FGOスタジオ」ではPMチームを作って、できるだけチームメンバーをケアするようにしています。

『FGO』には5〜6人のPMがおり、それぞれがイベントの施策を担当することで並行してスケジュールが進行できるようにしています。

ひとつの施策に全員が参加するのではなく、それぞれにPMが就くんですね。

芦田:そうですね。施策の企画段階からリリースまで、責任をもって1人のPMが担当します。そして、それらを取りまとめるのがPMチームのリーダーである私の役目です。

ゲーム制作のスケジュール管理はとても大変な仕事だと思いますが、芦田さんはどのような部分にやりがいを感じますか?

芦田:人と話をしてゲームを作り上げていけるところです。チーム一丸となってリリース作業を行うにあたりPMは非常に重要な役割をもっています。PMがクリエイターのみなさんと一緒になって調整することで最適解のルートで制作が進み、予定通りにリリースできたときは幸せですね。

昔はサービス開始時やメンテナンス中での段取りに問題が多くあってユーザーのみなさまにご迷惑をおかけしてしまうこともありましたが、現在はPMがプロジェクトに入ってルーチンをしっかり作ったため、リリース時期が遅れることが少なくなりました。そういった部分の改善は仕事としてやりがいを感じていますし、結果に出るとうれしいですね。

最近はメンテナンスを延長する頻度が低くなったように思えます。

芦田:メンテナンス中のスケジュールも分刻みで作っているので、リスクはかなり減りました。『FGO』はサービス開始時からずっと全力で開発してきたタイトルなので、当初は周囲を見回す余裕もありませんでした。しかしPMがしっかりとスケジュールを管理することで、現場の混乱も改善されていきました。

芦田さんから見て、とくに印象的だったイベントやキャンペーンはなんですか?

芦田:2019年のお正月イベントですね。前後に大きなイベントがあるなかでのスケジュールだったり、1月1日の0時にイベントの動向を見守る必要があったりと大変な部分もありましたが、その分、達成感がありました。

毎日ログインすることで、イベント内のポイントが獲得できたお正月イベント「雀のお宿の活動日誌〜閻魔亭繁盛記〜」。

今年のお正月イベントのように毎日更新されるイベントもありますが、更新のタイミングでは小さいものでも必ず見守っているのでしょうか?

芦田:はい。なにかあればすぐに報告できるように担当がチェックしています。

毎日見守る場合もあるとなると5〜6人では手が足りないのではないかと思いますが、「FGOスタジオ」のPMの人数はまだまだ増やしていく予定ですか?

芦田:施策を担当するメンバーは足りていないですし、「FGO」をさらに良くしていくためにもっとスタッフが増えてほしいと思っています。

いっしょに働きたい人は物事を「自分ごと」にできる人です。「FGOスタジオ」のPMは資料を作って終わりという仕事ではないため、自分から動くことが苦でない人が向いていると思います。

アイディアを出すようなことが苦手でも人をまとめることが好きなら挑戦できる職種なので、ゲーム業界への就職や転職を目指している人はぜひPMも視野に入れてほしいです。

他社さんではディレクターが主導してゲームを作ることも多いですが、「FGOスタジオ」のPMはプロジェクトの中心となって働ける実感があるのでやりがいを持てると思います。

PMをしていて大変だなと思う部分を教えてください。

芦田:先程も少しお話しましたが、TYPE-MOONさんの作り出す世界を守ることです。

イベントやキャラクターをリリースする順番が決まっているなか、TYPE-MOONさんも弊社もクオリティにとてもこだわるので、「作り直したい」と相談を受けることも多いです。そのなかで、どうすれば納期に間に合うのか段取りを考えるのは大変でもありますが、とてもやりがいがあります。

PMにはどのようなスキルが必要なのでしょうか?

芦田:人とやり取りをしながら物事を進めていく職種なので、たとえ難しい作業内容であっても、「クオリティアップのため」というゴールを共有し、協力しあって進めていく力も必要です。しっかりスケジュールを組んでもトラブルで変わってしまうことがあるので、臨機応変に対応できる柔軟さも大事になります。そのため、私は物事に優先度を付けることを特に重要視しています。

ゲームクリエイターには職人気質の人も多いと思いますが、そういった方とコミュニケーションするにあたって気をつけていることや大事にしていることはありますか?

芦田:職種によって求めているものやこだわっているところが違うので、その人たちがしっかり作業できる段取りをこちらがちゃんと整えていることを伝えるようにしています。「とりあえずやってみよう」と始まる施策でもしっかりスケジュールを作ってクリエイターさんが迷わないようにケアします。

PMを目指したいと思っている人はどのようなことを勉強すればいいでしょうか?

芦田:やはり人とのコミュニケーションが大事なので、そこは慣れていたほうがいいですね。マネジメントの参考書などで勉強しつつ、グループワークなどに参加して自分の意見を伝えたり、チームをまとめたりする練習をするといいかもしれません。

芦田さんはプランナーからPMになられたということですが、いきなりPMになるよりもほかの職種を経験しておいたほうがいいと思いますか?

芦田:PMは開発の流れを知ったうえで、その形を組み替えることが多いため、開発職をやりながら全体を見る目を磨いていたほうがより理解が深まると思います。

「FGOスタジオ」でPMをするにあたって大事にしていることを教えてください。

芦田:繰り返しになってしまいますが、『FGO』の世界観を大事にするということです。PMという仕事だけで考えるなら、スケジュールが遅れないように世界観のことを二の次にするという考えも浮かんでしまいますが、『FGO』においてはそれは絶対にしてはいけないと思っています。

折衷案を提示することはありますが、こちらからクオリティを下げるような提案はしませんし、ディレクターの判断をもとにクオリティの調整をします。

芦田さん自身、ディライトワークスに入ってよかったと思うことはなんですか?

芦田:「FGOスタジオ」のみんながゲームや『FGO』が好きで、楽しみを共有できるところですね。新サーヴァントが実装されたときはみんな聖晶石召喚を回しますし、プレゼント抽選(※4)があるイベントでは100箱ぐらいあけたりもします(笑)。

社内のみんながゲームを遊ぶことも作ることも好きなので、コミュニケーションが円滑に行われています。「ただ純粋に、面白いゲームを創ろう。」という開発理念を掲げていますが、本当に面白いゲームを創ることを軸にみんなが動いており、とても居心地がいいです。

※4……イベント専用アイテムを集めることでプレゼントがもらえる通称「ボックスガチャ」。高効率で育成素材を収集できるため、AP回復アイテムの数や時間が許す限りクエストを周回し続けるマスターが多い。

昨年、PMセクションが設立されたタイミング、「FGOスタジオ」が新設されたタイミングで、それぞれ環境などで変わったことはありますか?

芦田:PMセクションが設立されたことでPMという仕事をしっかり定義づけないといけないなという決意が固まりました。ほかの会社とディライトワークスのPMの違う点や、PMがどういう仕事であるかがPMセクションの設立をきっかけにきちんと説明できるようになり、新たな一歩を踏み出せたと思いました。

最近はPMの仕事を説明する小冊子を弊社独自に作り、学校に置かせてもらったり、イベントで配布させてもらったりしています。ゲーム制作にはPMという仕事があることに興味をもってもらえるとうれしいですね。

また、「FGOスタジオ」ができたタイミングでは、『FGO』に携わっているという意識がより強くなって気が引き締まりました。

CEDEC 2018や肉会(MEAT MEETUP)などで配られた小冊子。PMのことをまったく知らない人向けの解説のほか、自身がPMに向いているかどうかがわかるチェックシートなどが記載されている。(PDFはこちら)

最後にディライトワークスへの就職を目指している人にメッセージをお願いします。

芦田:私自身は、アイディアを生む仕事よりも人とコミュニケーションを取る仕事のほうが得意だと感じてディレクターからPMになりました。クリエイティブな作業よりも、コミュニケーションや調整する事が好きな人は、PMという仕事に興味を持ってくださるとうれしいです。

ありがとうございました。

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